不完全治癒とは何か古傷治療の中に「不完全治癒」という師匠の言葉がでてきますが、自然治癒を持つ人間(生物)がなぜ不完全治癒の場を持つのかを私なりに考えて見ました。まず、「不完全治癒」に対して「完全治癒」を考えてみますと、人間の軟部組織の完全治癒は炎症を伴います。炎症によって損傷した組織を賦活します。炎症は痛みを伴いますから移動能力を著しく疎外します。人間という生物は生命維持のため、炎症という部分の完全治癒より他の組織の支えによる移動能力の確保を選んだと思われます。古代では移動能力は捕獲や逃走による生命維持に必要不可欠でしたから。第2に古傷は手足の末梢に(下腿、前腕)に出来やすいです。天地の気の旺盛な場所では、古傷の虚は気の入り口となり、気の不足した体表...17Sep2017古傷治療